「キャッシング」を理屈で話してみる
キャッシングは、返済することを前提として借りるわけですが、その「借りる」「返す」についての取り決めを書面によって約束、つまり、契約によって初めて成立することはみなさんご存じのとおりです。
つまり、キャッシングは法律上の行為であり、このことは改めて意識するべきですが、ここでキャッシングについての法律関係について、基礎的な話ですが知っておいてください。
まずは、債権者・債務者の関係
キャッシングを実行すれば、貸主は債権者、借主は債務者という地位になります。
この場合、債権者はその債務者に「ちゃんと返済しろ」という権利があり、債務者は債権者対して契約内容を履行する義務があります。
債務者は、契約内容を履行しない限りその義務が残るし、債権者も債務が残っている限り、債権は残ります。 つまり、債務者は債権者に「借金を返せ」と言われることがが負担・苦痛になるならば、債務を履行、つまり、債権を消滅させねばなりません。
債権を消滅させるには債務を消滅させるしかないので、仮に返済を踏み倒す場合は法的には時効にかからない限り債務は残っていることになります。
キャッシングの法律上の取り扱い
キャッシングは法律上では「消費貸借契約」であり、さらに言えば、「利息付金銭消費貸借契約」ということになります。これは、民法第583条に定められています。
消費貸借契約とは、消費を目的とした物の貸借契約(貸し借りの契約ですね)です。
ここで言う「消費」というのは、例えば、お隣同志で醤油の貸し借りをしたとします。借りた醤油は料理に使ってしまうので、「その」醤油は返すことができませんよね?
ですから、後日、同等・同量の醤油を買うなりして用意し、返すのです。キャッシングも同様で、「その」お金は使ってしまうので返すことはできませんが、同額を返済すればよい、ということです。
キャッシングの場合は、利息も支払うことになりますので、「利息付」ということになるわけです。
また、消費貸借契約というのは要物(ようぶつ)契約と呼ばれる少々特殊な契約形態になります。
例えば、売買契約などは店と客が「これください」「ありがとうございます」となった時点で、売買契約締結になります。
この時点で、お店側は商品を客に引き渡す義務と商品代金を客に請求する権利があり、逆に客の方は、店に商品代金を支払う義務と商品を譲り受ける権利があるという、 当事者間でお互いに対になる債権債務が発生します。
つまり、当事者間で「申し込み」と「承諾」があれば、この時点で契約は締結されたことになり、その瞬間にご覧のような債権債務が発生するわけで、言ってみれば、法的には対等の立場ですし、これがもっとも一般的な債権債務の関係です。
しかし、要物契約は貸主が、対象となる物を借主に実際に引き渡した時点で契約締結になり、貸主は借主に「返せ」と言える権利が発生します。
そして、借主は貸主に対して行使できる権利はなく、返済する義務のみが残るのです。あまり、対等には見えない形になるんですね。
ご覧のように、カード発行契約時点では、消費貸借契約が結ばれるわけではありません。実際にキャッシングした時点でその消費貸借契約が結ばれるわけです。

