改正貸金業法とヤミ金問題は表裏一体
改正法は、グレーゾーン金利の廃止、総量規制の導入等、多重債務者対策に適った施策が採られています。
これらの施策は、これまでの多重債務者問題を原因とされてきていたわけで、そこを改善するわけですから理に適っていると言っていいでしょう。きっと、新しい多重債務者はぐっと減ってくるはずです。
しかし、その弊害も出てきています。
新しい多重債務者は少なくなるでしょうが、それまでの多重債務者は「頼みの綱」を切られたような形になってしまいます。 総量規制の導入で、多重債務者の殆どはもうお金を借りることはできなくなるわけですから。
ただ、それ以上傷を大きく広げないためにもこれは仕方がなく、ある種、法改正のメリットと表裏一体のようなものです。多重債務問題は、債務整理という救済措置もありますし。
しかし、それを良しとしない多重債務者が結構多いのも事実です。
ここで問題となるのが「ヤミ金融の台頭」です。
正規の金融機関からキャッシングが出来ないのなら、「法律上の金融機関ではない」、違法の貸金業者しか相手にしてくれないし、ヤミ金融側もあぶれてきた消費者は、恰好の顧客となり得る見込み客です。
ヤミ金融台頭の「懸念」は「現実」に
この問題は、改正法の議論の中でも言われてきたことでした。そういうこともあり、改正法の中でもヤミ金融対策が盛り込まれています。
そして、改正法施行後、実際に「2ちゃんねる」掲示板でのヤミ金融業者と思われる取引がニュースになったり、こんなニュースも出ています。
2008年6月10日の最高裁判決
2008年6月10日になりますが、このヤミ金融問題について、最高裁が一つの判決を出しました。
一言で言えば、「ヤミ金融で借りたお金は、返済義務がない」というものです。 そして、同時に「もし返済してしまった分は、利息分も含めて損害賠償請求をすれば返還できる」としました。
さらに、「ヤミ金融が借主に貸し付けた金銭は、返還請求することが出来ない」ともしています。
これらは、民法第90条の「公序良俗違反」、民法第704条の「不法原因給付」が根拠になっています。
このような司法判断は、下級審では過去にもありましたが、最高裁がこの問題についてこのような判断を下したのは初めてです。 また、すべてのヤミ金融事件に対してこの判例が適用されるとも限らず、そのへんは個別の事例にて対応するとのことです。
この判断は、消費者側からすれば一つの大きな指針となることでしょう。

